「ゴールの場所はわからない」勇気をくれる新しい踏み出し方 / Olu Olu cafe 鈴木英士

    

聞き手:あみぱん 写真:ゆーた 編集:あゆ

 

寒さも厳しくなってきた2月。みなさん、どうお過ごしですか?
厳しい寒さ、楽しんでいますか?
2月最初の記事は、Oluolu Cafeの店長さんにお話をきいてきました。

 

広島大学近くにある「Oluolu Cafe」。
料理サークルだったり、日本酒サークルの日本酒会だったり色々なイベントが開かれていることでご存知のひとも多いはず。
でも、その実態を詳しく知っているひとは少ないんじゃないでしょうか。今日はそんなOluolu Cafeの店長、鈴木英士さんにお話を伺ってきました。

 

店内は木のぬくもりを感じられる優しく明るい雰囲気。
ビートルズが流れる心地よい空間でした。
カウンター席はほどよい距離感で、考えていることをなんでも話してしまいそう。

 

 

鈴木さんは大学院卒業後に市役所へ就職。その後、Oluolu Cafeの店長さんに。
「学生」と「地域」をつなぐ拠点として、カフェをオープンしました。

 

 

『Oluolu Cafeという場所』

― Oluolu Cafeは普通のカフェじゃないんですか?

 

普段は普通のカフェとして営業してるよ。ただ、コンセプトは「学生」と「地域」をつなぐ拠点なんだよね。

 

― 「学生」と「地域」をつなぐ拠点?

 

例えば、まえは、このあたりの中小企業の経営者の方と学生との交流会みたいなのをやってたね。
いまは相談にきた学生にひとを紹介するとか、ここを拠点として外でつなぐということのほうが多いかな。

 

 

― 確かに、大学以外のことと関わりを持つことって難しい気がします。

 

そうだよね、俺も大学時代は部活と授業とバイトだけの生活を送っていたんだ。
ただ、社会との接点があまりにもなかったことに恐怖を感じる瞬間があって。

 

っていうのも、社会人とやりとりをしてイベントの運営代表をしたことがあったんだけど、社会人へのメールの打ち方ひとつわからなくて、とても大変だった。

 

その時の自分と同じ苦しみを持っている大学生を救いたいっていう気持ちから、「地域」と「学生」をつなぐ手助けをしたいって思うようになった。

 

ー 今の鈴木さんがいるのは大学時代の経験から来てるんですね。

 

そうそう。それが俺のターニングポイントで。
このことがあってからは、社会で必要って思ったことを全部やろうという精神で行動していった。

 

あとは、教育に関心があったから、教育の道には行こうと思っていたね。

 

ー でも、学校の先生じゃないんですね。

 

そうだね。自分がどういう形で誰に教育をしていくのかって考えたときに、地域で色々な人と触れあって、社会に貢献したいと思える心を育てる教育がしたいなっておもった。

 

俺にとってそれは、「地域を題材にした大学生への教育」だった。これができ
ればよかったから、正直カフェであることにある意味強いこだわりはなかったかな。

 

それで、一歩ずつ考えていったほうに進んでいったってかんじ。やりたいって思ったことを形にしていった

 

店内にある掲示板。見てるだけでわくわく。

 

 

『俺はね、川下り型。』

 

 

― でも、何かをやるってこととか、一歩踏み出すのってなぜか難しいです。

 

踏み出してみればいいじゃん(笑)

 

ー …。なんで踏み出せないんですかね?

 

迷っている理由は、ゴールの場所を勝手に考えてるんじゃないかな。ゴールの場所が正しいかわからないまま、そこに近づくための一歩目を迷ってる。

 

ー ゴールの場所??

 

人間には2つタイプがあるとして、山登り型と川下り型っていわれているんだけど、山登り型が明確なゴールがあってそこに向かってステップを踏むほうだとすれば、川下り型はやっていくなかでゴールにたどり着いたって感じで、俺は完全に後者のタイプ

 

たぶん踏み出すのが怖いのは、ゴールが絶対あって、その方向通りに踏み出さなくちゃいけないって思いすぎてるんじゃないかな。でも、ベクトルをずらさずに一歩踏み出すなんて、絶対に稀だから。

 

― なるほど。踏み出すことへのハードルを私は上げすぎていたのかもしれません。

 

何かやったら絶対なんかにつながるから。そこでどう動くかはまた自分次第だけど。

 

― 鈴木さんの強い言葉に背中を押されるような感覚になりました。

 

身振りをつけて丁寧に話をしてくださる鈴木さん。やさしさが垣間見えます。

 

 

『カフェの理想はカフェがなくなること』

 

ー 鈴木さんは今後どうなっていきたいですか?

 

カフェに関していうと、理想はカフェがなくなることだね。

 

 

ー それは衝撃的です。 カフェがなくなってもいいんですか?

 

俺のカフェの理想は、このカフェが無くても、学生は地域と交流しているし、地域に出ていっているし、そういう関係性がまちの中で生まれることだと思う。

 

ー まさにお店の理想ですね。

 

-------------------

 

今までは、迷っていることは止まっていることだと思ってた。でも、そうじゃないんだ。鈴木さんとの時間は、私にそんな考えをかたちづくってくれました。
強い言葉を与えてくれた鈴木さん、ありがとうございました。

 

ライターだより
何か始めたいけどなにをすればいいかわからない。何もしないのは楽だけど、このまま終わるのは嫌だ。鈴木さんは、そんな、もやもやを聞いて私の背中を押してくれました。自分の知らなかった自分を引き出してくれるあたたかい場所です。
今度は友達と一緒に会いに行こう。

 

カメラマンだより
鈴木さんと会ってお話をしたのは約一年ぶり。一年前に会ったのは僕がOluolu Cafeで仲間とクラシックギターの演奏をさせていただいた時でしたが、鈴木さんは僕のことを覚えて下さっていました。僕も沢山の人と会うようになっても、出会いのひとつひとつを大切にできる人になりたいです。

 

Olu Olu cafe
住所:〒739-0047
広島県東広島市西条下見6-10-3 Breezy FLAG 1F

OluOlucafeではイベントを募集しています。
何かやってみたいという学生さんはお気軽に問い合わせ、またはFacebook・twitterからご連絡ください。
イベントや店休日は下記URLのカレンダーからご確認ください。

http://goo.gl/BkLLve

 

 

【かいたひと】あみぱん/ライター

福岡出身。サイクリングと映画が大好き。
にほんのはしっこに自転車で行くのが目標。
今年やりたいこと100を考えるのにはまっている。

 

【とったひと】ゆーた(Yut@)/カメラマン

知らないところを探検するのが好き。もちろんカメラをつれて。
家ではクラシックギターを弾いたり、本を読んだり、寝たり。
Twitter → @Yh_photo