「積み上げるということ」素直に届けよう。/ FM東広島 間瀬忍

    

聞き手:ひなぴよ 写真:ゆーた 編集:あゆ

 

情報がほしいとき、少し時間があるとき、何をしていますか?

テレビ、雑誌、新聞、スマートフォン・・・・それともラジオ?

 

広島大学東広島キャンパスから、郵便局の前の横断歩道をひとつ渡ったところに、「FM東広島」があります。

私は1年ほど前から、このラジオ局でラジオパーソナリティーをさせていただいているですが、そこでFM東広島ラジオパーソナリティーの間瀬さんに出会いました。困っている時に助けてくれたり、的確なアドバイスをくださったりするとても頼りにしている先輩です。

今回は、そんな間瀬さんとYeast編集長のあゆとお話をしてきました。

 

手前があゆ、真ん中が私、そして右側が間瀬さん。

 

 

FM東広島とは

 

ー FM東広島とはどんなラジオ局ですか?

 

2011に立ち上がったコミュニティFM放送局です。一番大事にしているのは、地域の情報を出すこと。他の圏域のメディアだったら放送されないような情報を届けるようにしています。そして、東広島の情報にフォーカスしてパーソナリティーの立場から発信するということですね。20人ちょっとパーソナリティーがいて、スターが喋るというより、等身大の東広島で暮らすひとが自分目線で生活しながら発信するようなラジオ局ですね。

 

ラジオではFMの89.7MHzに合わせて、インターネットではFM東広島のHPのサイマルラジオのバナーから聞ける。

(あゆは、すぐに聞けるようにホーム画面に追加してあるらしい。)

 

ー 等身大のひと・・・例えば、どんな方がいますか?

 

劇団代表、コンビニ店長、設計事務所をされていたり、美容師、エステティシャン、介護関係、主婦、学生・・・

 

ー そう、本当にいろんな方がいて、それぞれ個性を生かした番組をされているのが面白いですよね!とっても身近な感じがします。

 

今って、どの職業につくのもハードルが下がっているよね。以前は、ラジオパーソナリティーというと芸能人のようなイメージがあったかもしれないけど、そうではなくて、ただ住んでいる人の代表として話しているだけっていう感じかな。

昔と違って、今は、ラジオ局も多様化していて番組も個性豊かになっているね。メディアが一つあってそれをみんなで聞くというよりは、それぞれの人に必要なものに近くなっていっているよね。

 

 

 

内面を音に

 

ー ところで、間瀬さんはどうしてラジオパーソナリティーになろうと思ったんですか?

 

パーソナリティーがやりたかったわけじゃないんです、実は。

大学院に通っていて、毎日、研究詰めですごく辛かったんです。毎日閉じこもって、生きているような死んでいるような生活で。それが終わったときに、たまたま中国放送の文化センターの前を通ったんです。中を見ると華やかで入れないなと思ったのと同時に、終わったんだから、ちょっともうここに入るような生活をしてみようと思って、文化センターのアナウンス教室に通ってみました。解放されたいなって。教室が終わる頃、FM東広島でパーソナリティーの募集があったんです。そんなタイミングに縁を感じるじゃないですか!

 

ー たしかに、それはそうかも!

 

それとね、内面を音にする感覚が面白いなって思って、そんなラジオのパーソナリティーになれるとは思わないけど応募してみました。

 

ー 内面を音にするってどういうことですか?

 

何かを読むでしょ、目で読んで消化する世界と音にして帰ってくる世界は違うように思えて。何か自分との対話ができるような時間が心地よくて、声に出すのって楽しいなって感じていたのかな。

 

 

 

積み上げる

 

ー 間瀬さん、パーソナリティーをやっていて楽しいですか?

 

うーーん、楽しい時はある!いろんな人に会って輪が広がっていって、7年やってきて、だんだん積み上げってきているのね。ラジオの放送って音声だから書いたもののように残らないんだけど、みんなの中に私が積み上がっていく。

最初は、「FM東広島って何?」て言われることも多くて難しかったの、でも積み上がっていくうちに、輪が広がって聞いてくださる人も増えてね。今では、リスナーさんのことを友達として接しているかなあ。情報をリスナーさんからもらうことも多いしね。その広がりや笑顔を作るのが、それを繋いでいくものがラジオ局だって実感すると嬉しい。純粋にお話をするのは楽しいしね!

 

 

ー 「積み上げる」か・・・。Yeastは、まだ1年経っていないんですが、これからどうやって積み上げていったらいいと思いますか?

 

それはね・・・計算しちゃダメ(笑)

ただ、数は素直で。いろんな人に何回も会う、いろんなものを見るって大事。

 

ー 間瀬さん、多い日はどれくらいの人に会うんですか?

 

100人に会ったと思う日もよくあるよ

 

ー 100人!?

 

例えば、高齢者の人が集うサロンとか地域のイベントをはしごしたりしてね。いろんなところで知らないことが起きているから情報を集めにどんどん行ってみる。一人ででもいって、どれだけの人に話が聞けるかじゃないかな。

あとね、こだわっているのがみんなにラジオに出てもらいたいってこと!メディアが注目するものって決まっていて、取材しやすい対象ってあるんだけど、それを超えてみんなに出てもらいたいな。例えば、東広島のある場所の30年前について聞いても、一人一人違う答えが返ってくるのね、でもそれってどの情報にも価値があると思っているんよ。いろんなアプローチで、地域に出て行けば、東広島をもっと知れるんじゃないかなあ。

 

スタジオにはCDが沢山。一曲一曲、パーソナリティーが選びます。

 

 

素直なものは届く

 

ー 情報を伝える上で気をつけていることはありますか?どうすれば、届けたい情報が届くとおもいますか?

 

何が自分の心を動かしたか大事にすることね。生活で見たもの聞いたものがネタになるけど、ただカフェで朝ごはんを食べましたっていうのはネタにならないよね。じゃあ、なんでその朝ごはんの話をしようと思ったのか、パンのどこらへんに心が動いたのか、どんな気持ちになったのかだったりが大事になってくるでしょ。

日常生活の中で、朝ごはんとか普通の出来事で通り過ぎてしまうけど、それをできるだけ拾ってくる。自分の心の動きを素直に伝えることで、相手の心も動かすことができると思う。

 

 

ー どうやったら、そのカフェに行ってもらえるかなとか考えて、自分が感じたことより「今話題だ」とか「見栄えが良い」とかそういう情報を話していました。少しでも、よく伝えようと思って。でも、素直に伝えることが大事なんですね。

 

それが一番伝わると思う。声ってすごく素直なツールだから、思っていないことを話したら相手にもそれが伝わるよ。

それとね、メディアが人を動かすのって2、3パーセントぐらいなんだって。じゃあ何が動かすかっていったら口コミよ。だから、「このお店は美味しいですよ」ってラジオで聞くより、友達から「あそこのね、すごい美味しいのよ、行ってみて!」勧められた方が行くでしょ。

 

ー たしかに、行きますね〜。

 

だから、メディアはどれだけそこに近づけられるかなのよ。

 

ー 間瀬さんのことを友達と思っていたら、そのお店に行きたいっていう気持ちが強くなるってことですよね。「積み上げる」ということに繋がっているように感じます。

 

リスナーさんから相談をされることも多い間瀬さん。

 

ー 最後に、質問です!記事を読んだ人が間瀬さんに話しかけてもいいですか?

 

もちろんです、話しかけてください。なんなら電話番号公開しときましょうか(笑)

 

今日は、少し時間があるし、ラジオ聞こうかな。

 

 

ライターだより

大学の卒業と同時に、FM東広島で過ごす時間も終わってしまい、Yeastでの記事を書くのもこれが最後です。このタイミングでじっくり間瀬さんと話すことができてよかったなあと思っています。春から、環境がガラッと変わりますが、少しずつ積み上げていけるよう、いろんな場所に行ったり、沢山の人と話したりすることを大事にしたいと思いました。間瀬さん!そして、FM東広島のみなさん!お世話になりました。

 

カメラマンだより

素直に伝えることが大切だと教えてくださった間瀬さん。間瀬さんの素直な言葉は自分の中にスッと入ってくるような感じがしました。いつもどう返すのが良いかと、正解となる言葉を探しがちな私ですが、もっと素直な気持ちを相手の中に届けられるようになりたいです。

 

 

株式会社FM東広島 

住所:東広島市西条下見6丁目6番23号
TEL:082-422-3023  FAX:082-421-0897
毎日 7:00~22:00で全生放送。
HP: http://www.fmhigashi.jp (FM東広島は、こちらのHPの左上のサイマルラジオのバナーから聴けます。)

 

 

【かいたひと】ひなぴよ

ライター。西条生まれ西条育ち。インスタグラムのストーリーでは愛猫「クリムトくん」の率がかなり高い。

 

【とったひと】ゆーた(Yut@)/カメラマン

知らないところを探検するのが好き。もちろんカメラをつれて。
家ではクラシックギターを弾いたり、本を読んだり、寝たり。
Twitter → @Yh_photo